
保険はほとんどの人がなにかしら加入しているので
過剰反応されると大変なのです(^_^;)

保険関係者の知人もいるからな…
はじめに&結論
社会人になって1ヵ月が経った頃だと思いますが、もう保険外交員(生保レディー・保険のおばちゃん)との接触はありましたでしょうか?(^_^;)
運良く(?笑)まだ契約までは至っていないという方は是非この記事をご一読いただき、そのうえで改めて加入の検討、判断をされることをお勧めします。

すでに加入契約してしまったという決断力の高いあなたは、
その決断力が解約・見直しにも発揮されることを祈りますw
では、いきなりですが結論です。
万が一の時のための「定期保険」「終身保険」→要りません!
※扶養家族がいる方のみ最低限の「定期保険」の加入検討
老後のための「個人年金保険」→要りません!
貯金がわりにもなる「養老保険」→要りません!
病気やケガに備える「医療保険」→要りません!
がんに備える「がん保険」→要りません!
そのうち結婚して子供ができたなんて言うと勧められる
「学資保険」→要りません!
終わりw
これで納得できる方はここまでお読みいただければ結構です。
ご清聴ありがとうございましたm(__)m笑
「もうちょっと説明欲しい」という方のみ次章へお進みください。
保険の本来の目的と必要な保険
まずは保険の本来の目的を確認しましょう。
保険とは、
「人生で起こり得るさまざまな不測の事態に相互扶助(みんなでお金を出し合って)で備える制度」です。
家計の観点からもう少し言葉を足します。

保険とは「人生で起こり得るさまざまな不測の事態の損害額が公的保険や貯蓄等では到底カバーしきれない場合を想定し相互扶助(みんなでお金を出し合って)で備えるもの」です。
人生で起こりうるさまざまな不測の事態には
病気、ケガ、事故、自然災害、そして死などがありますが
そのうち
「損害額が公的保険や貯蓄等では到底カバーしきれない」
ものはどれでしょう?
私は
「自分が起こした事故で、ケガや死亡させたり物を壊してしまった場合」
「自然災害」
「家計を一人で支えているものの死」
だけだと考えます。
つまり
「自然災害」に備える火災保険
「家計を一人で支えているものの死」に備える(掛け捨ての)定期保険
の4つは必要な保険
ということになります。

逆に言うと、
それ以外の保険はすべて不要ということです。
ちなみに、自動車保険や火災保険は損害保険と呼ばれ保険の第2分野に分類されています。
一方、不要とした上記以外の生命保険(終身・個人年金・養老・学資)は第1分野に、医療保険(医療・がん)は第3分野にそれぞれ分類されています。その第1分野と第3分野の保険を主に勧めてくるのが皆様の会社によく現れる保険外交員の方々です。
余計な保険に加入するべきではない理由
いらないものを買うのですから理由は言わずもがななのですがw、
生命保険の負のスパイラルと呼ばれる現象(?)がありますのでご紹介しておきます。
【生命保険の負のスパイラル】
①ただでさえ税金や社会保険料を天引きされている給料から
さらに保険料が固定費で出ていく。
↓
②実質的な手取りが目減りする。
↓
③手取りが目減りするので貯蓄や投資に回す額が少ない(もしくは無い)。
↓
④貯蓄や投資をしてないから将来が不安。
↓
⑤将来が不安なのでさらに別な保険で備える。
↓
①に戻って繰り返しw
実はスパイラル以前に①が結構深刻で、
現在のサラリーマンの給料の上昇率は
税金・社会保険料、ついでに物価の上昇に
ついていけてません(上昇どころか働き方改革で残業ができず手取りが減っていっているケースもあります)。

保険の多寡に関わらず生活はじわじわと厳しくなっていっています。
収入が上がらないのであれば固定費を下げるしかありません。
↓の資料をご覧ください。
2.3.4.5の削減が固定費を大きく下げるであろうことに異論はないと思います(1のふるさと納税はやれば得するというものなので別の記事で説明しています)。

ただ、
スマホ・車・住宅には「物欲を満たせる」「生活の利便性が向上する」というメリットもあるにはある(費用対効果はともかくとして)。
それに対して「必要最低限以外の保険」は自分に保険対象となる不幸が訪れない限り何も得るものがありません。

「保険は安心料」
「保険は御守り代わり」
「社会人になったんだから保険の1本くらい」
「結婚するなら奥様への愛情のあかしとして」
「子供が生まれるなら親の責任として」
なんていう
ふわっとした理由で保険に加入(しようと)していませんか?
「保険は入るもの」だったのは昭和~バブルの時代の話です。
令和のサラリーマンには
高い御守りを買い続ける余裕などありません。
余計な保険への加入は家計を苦しめることこそあれ
家族への愛情や責任の証になどなりません。

余計な保険に入ることにメリットは何もないのです。
次章からはさらに細かく
生命保険・医療保険にどんな種類があり
その保険がなぜ要らないのかを
説明していきます。
生命保険・医療保険の種類と要らない理由
定期保険が要らない理由
定期保険は自分(被保険者)が死んだら保険金がもらえる掛け捨ての保険です。
自分は死んでるわけですから自分の手元にお金は届きません(^_^;)。
逆に、そのお金が必要な方は誰でそれがいつなのかを考えてみてください。
少なくとも、

独身者や扶養家族がいない方(夫婦とも働いている、子供が成人している、養うべき両親がいない等)には全く必要がない保険です。
葬式代にという方がいらっしゃいますが、一般的なお葬式であれば預貯金で十分です。
扶養家族がいる場合だけ
最低限の定期保険(逓減型or収入保障型)を検討しよう

ここは扶養家族がいない方は読む必要がありません。
飛ばして次行ってくださいw
扶養家族がいる場合、一家の大黒柱の死は家計に深刻なダメージを与える可能性があります。なので、扶養家族がいる場合だけは定期保険の加入を検討する余地があります。
結論から言うと
※就業不能保険は全くの別物ですのでお間違いのないように。
例えばとある一家のケースで見てみましょう。
本人(47歳会社員)・妻(45歳主婦)・娘A(12歳中学生)・娘B(10歳小学生)・息子C(5歳幼稚園児)の5人家族、収入は本人の給与所得のみ、持家+住宅ローン有りの家庭です。

また例の一家か…
本人がいま死んだ場合この一家に必要な保障について考えてみましょう。
生命保険が無くても
①遺族年金+遺族厚生年金が月額約15万円。
②会社から死亡退職金・弔慰金(額は会社によってさまざま)。
③団体信用生命保険で住宅ローンがゼロになり自宅に住み続けられる。
④健康保険から葬祭料埋葬料を10万円弱くらい(自治体による)。
⑤企業型確定拠出年金が死亡一時金として(金額は運用と年数次第)。
が家族に入ります。
その上でさらに上乗せが必要なのかどうか?
【生活費】
この家庭の場合ですと、住宅ローンゼロ化により住居費が不要になりますので
月間25万あればなんとか4人で生活できないでしょうか?(本人が死んでしまうということはその人の車や交際費や食費も要らなくなるということを考慮してください。)
だとすれば、遺族年金・遺族厚生年金の15万円ではあと10万円足りません。

まずは月10万円を生命保険の保障でカバーする必要があるということになりますね。

10万円x12か月x(妻が65歳になるまでの)20年=2400万円だな
ちなみに、子が18歳に達すると遺族年金の対象から外れるため、6年後(長女18歳)→8年後(次女18歳)と段階的に遺族年金は下がっていき、長男が18歳になる13年後には遺族年金がゼロになります(遺族厚生年金は変わらない)。このとき妻は58歳でその後自身が65歳になり老齢年金支給が始まるまでは遺族厚生年金のみが公的な保障となります。この7年間はやや生活が苦しくなることも想定しておきましょう。
【学費】
あとは何と言っても学費です。
↓この資料↓をもとに試算してみましょう。

画像出典:保険相談ナビ 【まとめ】子どもの学費にはいくらかかる?~幼稚園から、小学校、中学校、高校、大学まで~
3人ともこのルートを通るとして
Aは今から737万円。
Bは833万円。
Cは930万円。
計2,500万円です。

教育ってこんなにお金がかかるのか!!?

生活費と学費で約5,000万円が必要と言う試算になりますね。

てことは
保険金5,000万円で保障期間が(妻が自身の老齢年金をもらえるまでの)あと20年ある定期保険に入っていればまずまず安心ということだな。
それは少し違います。
実際は20年間ずっと5,000万円が必要なわけではなく、
死亡時の年齢が上がるほどその時点で必要な保障額は減っていくはずです
(自分が死んだときに3人とも子供が社会人になっていたらもう教育費は不要ですよね)。

もう一つ重要なことがあります。
それはこの不幸(自身の死)が訪れる確率です。
「自分は65歳までに100%死ぬんだ!」という確固たる自信?があれば上記の保障額・保障期間で妥当かもしれません。
ですが、2018年のデータで65歳生存率は男性89%、女性94%です。
確率的にこの不幸に当たり(?)保険金をもらえるのは
10人に1人ということです。
言い方がとてもあれですが保険は「不幸のギャンブル」とも言われています。
「90%はハズレる不幸の宝くじをいくら買いますか?」という選択なのです。
例えば
「90%ハズレるなら掛け金(保険料、保障額)も半分でいいや」とか
もっと具体的に
「90%の確率で無いと思うので学費の分2,500万は保険かけなくてもいいや」
などと考えることができます。

全ての不安に対して
確率を無視して保険をかけていたら
お金がいくらあっても足りません。
個人の性格もあるのでこのくらいが正解と言えるものはありませんが
90%起こらないと想定されることにいくらまでなら掛けられるか?
それがあなたにとっての必要最低限であり、
それで十分だと割り切ることが大事です。
終身保険・学資保険・個人年金保険・養老保険が要らない理由
終身保険・学資保険・個人年金保険・養老保険は絶対に1円たりとも要りません。
これらは「掛け捨てではなく掛け金がいつかは戻ってくる保険」と言う意味で同じものです。名前が違うだけで他にもいろいろあります。「掛け捨てではない生命保険」はみんな一緒です。

これらの商品の正体は
「死亡保障というおまけをつけた劣悪な投資信託」
です。
どこが劣悪なのか?いろいろありすぎるのでその一部を列記します(^_^;)
「予定利率ほぼゼロ(増えて返ってこない)」
「10%~60%ともいわれる超高額な事業費(手数料)をしっかり差っ引いてからの運用」
「中途解約だとほぼマイナス」…
つまり貯蓄(預貯金+投資)商品としてみた場合にあまりにリターンが無さすぎるのです。
普通に考えて
「10年満期で元本確保がやっとです。
運用益ゼロベースの商品です。
満期前に解約したら元本割れします。
でも手数料はがっちりいただきます。」
という商品が銀行や証券会社で取り扱われてたら選びますか?笑
絶対選びませんよね。
ですが
終身保険・学資保険・個人年金保険・養老保険…
いわゆる貯蓄型保険というのはまさにそういう商品なんです。
おそらく
「途中で死んだときには保険金がもらえます」
というおまけにつられてしまうのでしょう(-_-;)。
死んだときの保障がどうしても欲しければ、
掛け捨ての定期保険に加入すればよいのです。

「掛け捨ては損」なイメージが…
では例として
「学資保険」の場合と「定期保険+投資信託」の場合とで
シミュレーションしてみましょう。

学資保険・定期保険・投資信託のシミュレーションに関しては
こちらのサイトを使用させていただきましたm(__)m。
基準学資金額:500万円
保険期間:18歳
保険料払込期間:18歳まで
保険料払込方法:個別扱 月払
保険料:22,950円
払込保険料総額 4,957,200円
①定期保険
保険金額:500万円
保険料払込期間:20年
保険期間:20年
月払保険料:834円
払込保険料総額 200,160円②投資信託
最終積立金額 500万円
積立期間 18年
利回り 3%
毎月積立額 17,486円
払込積立総額 4,196,640円
定期保険+投資信託の払込総額 4,396,800円

掛け捨て定期保険+投資信託のパターンのほうが56万円(月4,630円)も安い払込額で同じ500万円を作ることができます。
死亡時に500万円が確保されるという条件はもちろん同じです。なんなら定期保険から500万円おり、投資信託で積み立てた分はまるごと残る後者は死亡時の保障がより手厚くなっています。

しかも投資信託の想定利回り3%って
かなり控えめな設定
貯蓄型保険と同じ死亡保障は掛け捨てなら25分の1程度で掛けられるということも感覚として知っておくと良いと思います。
改めて繰り返しますが

死亡保障部分は掛け捨て保険で、貯蓄部分は預貯金と投資でと
目的に合った商品にお金を投じたほうが結局はお得なのです。

備えるなら保険で
貯めるなら預貯金で
増やすなら投資で
…餅は餅屋ってことだな。
念のため、例外がありますので補足しておきます。
この記事をその世代の人が見てるかわかりませんが(^_^;)、
1995年以前の貯蓄型保険は予定利率が3%を超えていました。
今となってはお宝のような保険です。その時代の貯蓄型保険をお持ちの方は大事に満期まで取っておきましょう。
医療保険・がん保険が要らない理由
これについては要る要らないというより、
「あなたもうすでに世界最高水準の医療保険に加入していますよ。
それで足りませんか?」
という話です。
それが健康保険です。

健康保険の真の実力wを知れば、
医療保険やがん保険に無理してまで入ろうとは思わないはずです。

健康保険って本来の医療費の7割を負担してくれて、
自分は3割だけ手出しすれば良いって制度でしょ?
たしかに一般的な健康保険の認識はそれです。ですが、自己負担が3割で済むという誰もが知っている健康保険の特徴の陰に隠れている、それ以外のかなり充実した様々な保障内容はあまり知られていません。
・高額療養費制度
・傷病手当金
・海外療養費制度
・子ども医療費助成制度
・出産育児一時金・手当金
…
これらの制度が全て健康保険の保障なのですがご存知でしたか?
この中で特に医療保険のコンセプトとかぶるのが「高額療養費制度」「傷病手当金」です。
どんな高額な診療を受けても、保険診療である限り、一般的な所得(年収約370万円~770万円)の人の場合1ヵ月の自己負担限度額が月8万円+α程度になる制度。
自己負担限度額は
80,100円+(その月にかかった医療費の総額-237,000円)x1%
で計算される。
さらに1年以内に4回以上の高額療養費制度の対象となった場合、4回目から自己負担限度額は44,400円(固定)に引き下がる。

100万円の医療費がかかったときで自己負担額87,430円
200万円の医療費がかかったときで自己負担額97,430円
4か月目からはいくら医療費がかかっても自己負担額44,400円
ってことか
月200万円の医療費がかかるとなるとかなりの大病や大けがと思われますがそれでも自己負担は10万円で済むのです。

月々数千円の医療保険に入らなくても、
防衛資金として月10万円x4か月程度の出費に耐えられる預貯金があれば病気やケガには十分備えられると思いませんか?
病気やケガをして仕事を休んで勤務先から給料がもらえなかったり減額されたりした場合、最長1年6ヵ月間、標準報酬日額の3分の2の金額が支払われる制度。
※この制度は組合健保や協会けんぽ加入者(サラリーマン)のみが対象。自営業の方など国民健康保険加入者には適用されない。

病気やケガで丸々1ヵ月休み、月20万円の給料がゼロになっても
13万円は健康保険から支払われるということか
厳密には標準報酬日額=平均日給(1ヵ月の給与を日割り計算したもの)ではないのですが、目安を知る分にはそれで十分だと思います。
医療費そのものへの不安、会社を休んでしまう間の収入への不安は
民間の医療保険に入らなくても
この2つの制度があることを知っていれば解消できるのです。
がん保険はなぜ要らないのか。

がんであっても基本的には「高額療養費制度」「傷病手当金」で備えとしては十分と考えます。
というよりも正直がんだけ特別扱いして医療保険とは別商品として売り出している意味がわかりませんw

医療保険とがん保険とを分けることで
2重に加入させようとしてるのか???
あえて言うなら
健康保険では保障できない(保険診療の対象外となる)陽子線治療や重粒子線治療そして自由診療(温熱療法、免疫療法、漢方、ビタミンCなど…)への費用負担に備えるべきかどうかが判断のポイントにはなります。
まずは、なぜこれらの治療や診療が保険対象外なのかを考えましょう。
安全性と有効性が確認され、「これなら多くの人が使っても大丈夫」と厚生労働省に認められればこれらの治療や診療は「標準治療」として保険適用されます。「先進医療」>「標準治療」という言葉のイメージで錯覚しそうになりますが、先進医療は「まだ標準治療ほどの安全性と有効性が確認できていない治療」だと判断されているということです。
良い先進医療はどんどん保険収載されていくので、がんに効果のある先進医療ならいずれは保険適用対象となり、高額な費用負担を気にしなくてもよくなるはずです。
また、確率上の判断も重要です。陽子線治療や重粒子線治療の実地件数は5,000件未満。日本人の2分の1ががんになると言われている(この数字にもいろいろ言いたいことはありますがw)なかで、陽子線治療や重粒子線治療を行うのはがん患者の0.17%です。
2分の1の確率でがんになるかもしれない。
がんになった場合そのうち0.17%(1000人に2人)の確率で保険適用外の治療を受けるかもしれない。
50%x0.17%≒0.09%(1000人に1人未満)の確率にいくらお金をかけるのか?

全ての不安に対して
確率を無視して保険をかけていたら
お金がいくらあっても足りません。

さっきも聞いたな…
私ががん保険に関してわりと強気なのは
身内にがん患者がおり、2年で3回の手術入院を繰り返し現在も投薬治療が続いているにもかかわらず、トータルの治療費(手出し部分)は数十万しかかかっていないことを実際に経験しているからです。
間近で見ている分がん自体への恐怖心は他の人よりむしろ強いと思いますが、
逆にがんの治療にかかる費用への恐怖心はかなり薄くなりました。
がんの治療にかかった費用を全部公開してくれている方もいます。
保険会社以外の人からガンの治療費の話を聞く機会はあまりないので大変貴重な動画です。

この人は最後に医療保険もがん保険も勧めてるけど(^_^;)
私も、今までの話をすべて知ったうえで本人が必要だと判断した保険まで否定する気はありません。むしろそれは本人にとって本当に必要な備えなはずなので加入することの意義も効果も高いと言えます。

回避してほしいのは
「いくら必要なのか?いつ必要なのか?公的保険では足りないのか?預貯金・投資では足りないのか?」をほとんど検討していない(ように思われる)保険への加入です。
実際、そんな保険加入者が
日本の非常に優秀な保険営業のテクニックによって
今も昔も生み出されて続けているのです。
という話を次章でw
保険の営業に近づいてはいけない理由
日本は9割程度の家庭がなんらかの生命保険に加入している世界でもぶっちぎりの保険大国です。それは日本の非常に優秀な保険営業のテクニックとそれによる啓蒙(洗脳?笑)によるものと考えられます。
「生命保険や医療保険に加入する事は当たり前」の空気の中で、
接近力(アプローチ)、提案力(プレゼンテーション)、戦略力(マーケティング)に長けた保険外交員と相対したら、ほとんどの人はなんらかの保険に加入してしまいます。
そんな保険加入への入り口を私は勝手に「加入者ホイホイシステム」と呼んでいますw
加入者ホイホイシステム
【GNP営業】
義理(G)・人情(N)・プレゼント(P)の頭文字をとった営業手法です。古典的ではあるものの結局最後はGNP能力の高い営業が成績も優秀だったりします。
保険外交員だと会社に来てうまい棒やキットカットを配りながら一声ずつかけていくあれです。
「車買ったんですね」「お引越しされたそうですね」「お子さんのご入学おめでとうございます」…等、「自分のことを気にかけてくれてる」感がうれしくてちょっと話を聞いてみようかなという気持ちになってしまいます。
ですがGNPはあくまでも営業テクニックであり、あなたのことを本当に気にかけてくれたりあなた自身に興味があるわけではありません。
保険外交員にそんな心があるのなら、「明治安田の保険金不払い問題」や「かんぽ生命の不適切販売」や「外貨建て保険に対する苦情多発」などが起こるはずがありません。明治安田やかんぽの名前が前面に出ますがこれだけの大手が(かんぽの例だと)9割にあたる店舗で行っていた手法を他の保険会社はやっていないと考えるほうが不自然です。基本的に保険の営業は顧客に「できるだけ手数料の高い商品にできるだけ多く加入してほしいだけ」なのだと考えましょう。それに比べたらうまい棒やキットカットなんて安いものなのです。
【学資保険】
GNPは最終的には有効な営業手法ですが、「数撃ちゃ当たる」的なところもあって効率が良いわけではありません。私のように保険に入る気が無い人にもくまなく分け隔てなく声をかけお菓子を配るわけですから(いつも美味しくいただいておりますm(__)m)。
それに対して、ほぼ100%保険に加入してくれる効率の良い営業案件がこの学資保険です。学資保険は顧客側からオファーがあることがほとんどなのでまさに棚からぼたもち的な案件です。
さらに、学資保険を求めてホイホイしてきた顧客をマニュアル通り終身保険にいざないます。
「学資保険より利回りが良いんですよ」
「学資保険を選びに来た人はみんな終身保険に入っていますよ」と。
理由は簡単。顧客のみなさんのためになるから学資保険より終身保険のほうが手数料収入が高いからです。

筆者もこのからくりに気付かず娘Aが生まれたときに
終身保険に加入し、先日泣く泣く損切りしました(^_^;)
【保険ショップ】
最近はイオンなどの大型ショッピングセンター内にもテナントとして入ったりしているので身近な存在になってきました。おそらくここに向かうのは「保険を見直したい」と思っている人達でしょう。ただ、一番の見直しは要らない保険をやめることです。保険ショップはA保険をやめて代わりのB保険を提案することはあっても「じゃあこのA保険を(ただ)やめちゃいましょう」とはなかなか言わないはずです。あくまで新たな保険を売るのが目的なのですから。ちなみに、A保険をやめようと保険会社に連絡したら「払い済み保険」「延長保険」への切り替えを勧めてくるというのも常套手段です。

やめようとしてたのにさらに別の保険に加入させられてる矛盾に気づきましょうw
【無料マネーセミナー】
駅前のホテルでケーキやコーヒーがついたりするやつです。女性限定のものが多いので残念ながら筆者は行ったことがありません_| ̄|○
興味がある方は是非行ってみてもらってその内容を教えてほしいですw
なのでここは伝え聞いた話になりますが、セミナー自体はいたって普通にiDeCoやNISAや投資信託など資産運用について分かりやすく説明してくれるもののようです。ただちょっとCM的なくだりや個別無料相談への案内はあると思っていたほうがいいです。そして、個別無料相談までいったらまぁまぁの確率で落とされるでしょうw
参考までに
「20人のセミナーで10人が個別相談に移れば、優秀な講師は5人は契約に結びつけます。保険の種類にもよりますが、5人契約できれば手数料だけで60万円はもらえるので経費は回収できます。」(引用:BLOG for RUN&LIFE 無料のマネーセミナーは怪しい?カラクリを徹底解説!)
だそうです。
女性限定のセミナーが多いのは
「・女性限定にすると女性が集まりやすい
・迷っても、お金の悩みを相談できる人がいないことが多く、成約につながりやすい
・日常的に友人や知人とお金の話をする機会が少ないので、マネーリテラシーが低く騙しやすい人が一定数いる
といった理由があります」
(引用:元国税芸人さんきゅう倉田の「役に立ちそうで立たない少し役に立つ金知識」 危険!女性を狙うケーキ付きマネーセミナー)
とのこと。
いずれセミナー自体はためになる内容のようですので、お友達と2人くらいで行ってケーキをいただいて、でも個別相談は断って帰るなら損はないかもしれません。
ホイホイされたらあとは口説き落とされるだけw
このホイホイシステムはアプローチ(接近)の部分なのですが、ホイホイされて商談のテーブルに乗ってしまったら、あとは日本有数の頭脳集団がお金と時間をかけて生み出したプレゼンテーションツールとマーケティングツール、それを使いこなすトレーニングを叩き込まれた保険外交員のトーク力の前に口説き落されるだけですw
冗談ではなく彼らは「こう来たらこう言う」「ここでこう言えば必ず落ちる」ということにかけて本当のプロであり、一般人の我々が理屈で立ち向かおうとしても全くかないません。
「いらないものはいらない」と言い放つ度胸があればそれでいいですが、

最も確実なのは保険の営業に不用意に近づかないことです。
「逃げるは恥だが役に立つ」のです。

加入したい保険があるならネットで探したり申し込んだりすれば対面で商談する必要もない。
まとめ
「人生で起こり得るさまざまな不測の事態に相互扶助(みんなでお金を出し合って)で備える」
この保険の仕組み自体はとても素晴らしいものです。
ただ、日本の民間保険においては
「リスクがどのくらいあってそのためにどのくらい保障が必要なのか?」
がよくわからないまま加入して(させられて?)いるケースが散見されます。
この記事は無保険者になることを勧めているのではありません。

「リスクへの備えは保険だけではない」ことを知って
保険料という固定費を少しでも減らしましょう
ということを勧めているのです。
①まずは預貯金・投資で最低限の防衛資金50万円だけでも準備する(公的保険と防衛資金だけで病気やケガの費用リスクにほとんど対応できる状態をつくる)
②同時に自己投資や自分へのご褒美にもお金を使い心身にストレスの少ない健康的な生活を送る(不測の事態が起こる確率を下げる)
③それでもなお将来への(お金で解決できる)明確な不安があるのならその分だけ保険で備える
せっかく社会人になって自分で自由に使えるお金を稼げるようになったのです。

不要な保険に加入してわざわざ固定費を増やし
「保険加入のために預貯金も資産運用も自己投資も自分へのご褒美もできず、
そのため心身や家計の状態が不安定になり、
心配だからまた保険を増やす…」
そんな保険貧乏にならないことを心からお祈りしています。

そのためには保険外交員に自ら不用意に近づかないことw
以上をもちまして
新社会人の皆様に贈る三部作は完結です。

ここまでお読みいただいた皆様、
ありがとうございましたm(__)m。
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